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『良医となるための100の道標』

『良医となるための100の道標』
西野 徳之

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明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
2020年最初の記事、226回の今回はずばり、研修医の先生に向けて良い医師になるために大切なことは何かを熱く語った本になります。
「研修医の先生に向けて」と書きましたが、研修医が終わった後の医師、特に十年目くらいの医師が読んでも、思わず襟を正したくなるような熱い一冊です。


簡単な内容紹介
医学部を卒業し、医師国家試験に受かった直後の医師は研修医として様々な診療科で実際に仕事をしながら、医師としてのキャリアを積み、成長して行きます。
本書はベテラン消化器内科医である西野 徳之先生が、「良い医師になるために必要なこと」をそんな研修医へ指導するという体裁で書かれた指南書です。
患者さんと向き合うために必要な姿勢から、地域医療に携わる者としての心構えまで、100のショートレクチャー形式で纏まっています。
もちろん研修医の先生にとっても参考になる一冊ですが、「初心忘るべからず」とどんな世代の医師にも響く言葉が詰まっています。



良い医師とは、どんな医師のことでしょう。
患者さんの話を良く聞き、患者さんの気持ちに寄り添える医師でしょうか?
手術が上手く、繊細で丁寧な手技がいつでもできる医師でしょうか?
看護師さんを始め、他の医療職とも連携をスムーズにできて、結果として全人的な医療をチームでマネジメントできる医師でしょうか?
すぐに思いつくこれらの概念は、確かにいずれも「良い医師」にとって必要な要素であるといえます。
逆に言えば、「良い医師」という言葉の定義は非常に多くの要素を含んだ定義であり、単一の「これ」というものだけが出来ても「良い医師」として十分とは言えないのです。


だからこそ、僕自身は「良い医師とはどんな医師か」という命題に対して、「良い医師とはどんな医師かを考え、その全ての要素に対して常により良くできるよう成長し続ける医師」と回答したいと思います。
僕自身が医師だから言い訳をしたいというわけではないのですが、医師もまた一人の人間であることに変わりはありません。
人間とは不完全な生き物ですが、同時に常に成長し続けようとすることが出来るのも人間であるといえます。
もちろん、人間性や患者さんとの接し方の姿勢は出来るだけ早く、というか医学部生のうちに身につけておくのが理想ではあります。
そのため、本書をまずおすすめするとすれば当然研修医の先生なのですが、一方で研修医が終わった後の医師にとっても、キャリアの初期に身につけた「初心」を常に思い出させてくれる、医師としての働き方の指針を示してくれる書物ともいえます。


なお、西野先生は実際に南東北病院で消化器内科医師として勤務されているようです。
本書を読めばすぐに分かると思いますが、その指導スタイルは正統派の熱血タイプです(実際の指導がどうかまでは分かりませんが)。
意外に思われるかもしれませんが、実際の現場で仕事をしているとこういった「熱血タイプ」の指導医(研修医に対して指導をする立場の医師をそう呼んでいます)は少ないのです。
理由はいくつかあるのでしょうが、そのうちの一つは情熱的な指導を常にし続けようとするのにはかなりの労力を要するからかもしれません。
患者さんへの接し方、立ち振る舞いについて、検査の時の説明方法など、一つ一つについて熱く説明しようとすると時間がかかります。
時間がかかりすぎてしまうと日常業務にも支障を来します。
結果的に、一つ一つの説明は出来ないけれどその背中を見て感じて欲しいという「背中を見て学べ」タイプの指導医が出来上がってしまうのです。


だからこそ、本書のように「良い医師とは何か」を一つ一つ丁寧に指導してくれる本は貴重なのです。
これから良い医師になろうとしている若い先生にとっては立派な土台になってくれるはずですし、すでにある程度スタイルが確立した医師にとっても再度「初心」を思い出させてくれるはずです。
……ぎくっと思うところもあるかもしれませんが。
そういうところも含めて、若い先生からベテランまで、そして良い指導医を目指す医師にとっても学びの多い一冊であるといえるでしょう。
Amazonで探すと古本しか見つからないのですが、機会があったら手に取ってもらいたい、そんな一冊です。


というわけで、2020年最初の記事は、非常にアツい一冊になりました。
以前の記事にも書きましたが、個人的にはモチベーションを上げたい時にはこういう本を読むのが一番良いように感じています。
2020年も、良い仕事ができるようにしたいですね。

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コメント

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アザラシさん、新年明けましておめでとうございます^ ^
良い仕事をするとはどういうことか、プロ意識とはどういうことか、これらの問いに対しての答えに集約されていく様な気がしますね。人とは弱いものなので、この様な気持ちを高めてくれる本や人の近くに身を置くことは本当に大切だと思います。新年から良い本を読まれていますね!また気持ちを新たにして、今年1年を良いものにしていきましょう!
今年もよろしくお願いします^ ^

MunehitoKiri さん

開けましておめでとうございます!
ご指摘のように、プロ意識とはどういうことかと改めて考えさせられる本でした。
この本はすぐに目に入るところにおいて、ことあるごとに心の支えにしたいです。
気持ちを新たにして新しい一年を良いものにしたいと思います!
こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。

No title

あけましておめでとうございます。
お正月、毎日良い天気で気持ちがよいですね。
一年の始まり、こんなふうに明るい空はさいさき良く感じます!(笑)
去年は初の手術でお医者さんのお世話になりました。
さばさばした女医さんでしたが、言うことが明快で良かったです。

人間のお医者さんもそうですが、動物病院のお医者さんも
症状と向き合ってくれて一緒に考えてくれたり、そういうお医者さんは「ついていきます!」って思います^m^

七迦寧巴 さん

明けましておめでとうございます。
今日も快晴が続いて気持ちがいいですね。

七迦さんは昨年手術を受けていらっしゃいましたよね。
手術となると完全に身体を預けることになるので、信頼できる医師でないと困りますよね。
手術を受ける前に不安が完全になくなるということはないのかもしれませんが、少しでも不安を軽減できるようにしたいものです。