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『猫を抱いて象と泳ぐ』

『猫を抱いて象と泳ぐ』小川 洋子第199回は、タイトルからはちょっと内容が想像しにくいですが「チェス」を題材にした小川洋子先生の傑作をご紹介します。小川洋子先生の作品をご紹介するのは『博士の愛した数式』『凍りついた香り』『海』に続いて4作品目です。「静謐にして美しい」などと評されることの多い小川先生の作品群の中でも、おそらく最高傑作の1つに挙げられる作品でしょう。アザラシは読んでいて、ふと気付いたら涙...

『七時のニュース』

『七時のニュース』早瀬 耕第193回の今回は、アザラシが定期購読している『qui-la-la』の9月号から、早瀬先生の読み切り作品をご紹介いたします。前回の掲載から4カ月ぶりということで、待ちに待った新作です。世相を反映して、鋭い視点で描かれた本作は読んだ後にも立ち止まって考えたくなる作品となっています。簡単なあらすじ51歳のぼくは出張で大連に泊まるとき、決まったホテルを予約しています。それは、そのホテルの一室で...

『灯台守の話』

『灯台守の話』ジャネット・ウィンターソン (著)岸本 佐知子 (翻訳)第188回の今回は、Twitterでご紹介いただいたこちらの作品をご紹介したいと思います。白水Uブックスといえば、以前『カモメに飛ぶことを教えた猫』をご紹介したことがありますが、本作は別に児童文学というわけではありません。というか、白水Uブックス自体は海外小説のシリーズであって、児童文学のシリーズではないのです。簡単なあらすじ大西洋に面した岬にあ...

『海』

『海』小川 洋子第184回目の今回は、Twitterでご紹介いただいた、小川洋子先生の短編集であるこちらです。日常から静かに浮かび上がる不思議な雰囲気。その雰囲気を絶妙なバランスで成立させる文体に、ゆっくりと潜水していくような心地よさを満喫できる一冊です。簡単なあらすじ表題作である『海』をはじめとして、『風薫るウィーンの旅六日間』『バタフライ和文タイプ事務所』『銀色のかぎ針』『缶入りドロップ』『ひよこトラッ...

『キラキラ共和国』

『キラキラ共和国』小川 糸第175回の今回は、以前ご紹介した『ツバキ文具店』の続編であるこちらです。季節感溢れる鎌倉の情景描写は本作でも思う存分堪能することができます。前作に引き続き読むとほっこり心が温まること請け合いの一冊です。なお、シリーズ物の続編ということになるのですが、前作のネタバレは避けつつご紹介しようと思います。簡単なあらすじ前作『ツバキ文具店』のラストから1年。鳩子はツバキ文具店を営みな...