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『文身』

『文身』岩井 圭也第243回の今回は、岩井 圭也先生の最新作、骨太な内容と重厚な雰囲気を持ちながらも読者を釘付けする強力な魅力を持ったこちらをご紹介します。岩井先生の著作といえば『永遠についての証明』『夏の陰』をご紹介してきました。これまでの2作品では印象的な情景描写の美しさが魅力として紹介してきましたが、本作は果たして……。簡単なあらすじ暴力、酒、女……。破滅的な生活を貫き、その生き様を生々しい私小説とし...

『蜜蜂と遠雷』

『蜜蜂と遠雷』恩田 陸第223回はピアノコンクールを舞台にした壮大な長編小説であるこちらです。文庫本なら上下巻の2冊分、新書版だと「これは辞書かなにかか?」と見紛うばかりの重量感です。ですがそんなボリュームもものともせずに一気読みしたくなる力強い魅力をもった一冊です。ピアノが好きという方には絶対オススメの一冊ですが、もちろんピアノを弾いたことがない方でもきっと胸が熱くなるはずです。簡単なあらすじ世界的...

『ライオンのおやつ』

『ライオンのおやつ』小川 糸第218回の今回は、あの『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』で優しい心理描写と美しい情景描写でアザラシを虜にした小川糸先生の新作をご紹介します。今回の舞台は瀬戸内海のとある島にあるホスピスです。ホスピスとは、末期がん患者さんのための終末期医療を行なう施設のことです。どうか、ホスピスと聞いて難病に苦しんでいる患者さんの悲しい話なんじゃないか?と敬遠しないでください。悲しみや怒り...

『色彩合同短編集 黄昏』

『色彩合同短編集 黄昏』色彩第214回の今回は、2019年11月24日に行なわれた第29回文学フリマ東京で購入させていただいたこちらの一冊をご紹介します。以前にも『愛されたいなら愛せ』を紹介した阿部梅吉先生を擁する創作グループ「色彩」の合同短編集です。『色彩短編集 5つのパレード』に続く合同短編集の2作品目ということで、今回は「黄昏」を共通テーマに文字通り色とりどりの多彩な作品を味わうことができます。収録されて...

『完璧な病室』

『完璧な病室』小川 洋子第205回目の今回は、小川洋子先生のデビュー作など、初期の作品を集めた作品集であるこちらをご紹介いたします。このブログで小川洋子先生の作品をご紹介するのは『博士の愛した数式』『凍りついた香り』『海』『猫を抱いて象と泳ぐ』『薬指の標本』に続いて6作品目です。透きとおるほど繊細な表現力とはよくいったもので、文学がもつ力の真髄を満喫できる一冊です。簡単なあらすじ病に冒された弟が、姉の...