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『幸福な食卓』

『幸福な食卓』瀬尾 まいこ第310回の今回は、瀬尾まいこ先生の代表作と銘打たれていたこちらをご紹介します。一見すると「壊れかかった」ように見えるとある家族がとある事件がきっかけで「再生」していく物語。少女らしい視点でふんわりと柔らかな家族の愛が描かれるとき、心の奥がじんわりと温かくなる一冊です。簡単なあらすじ佐和子の家庭では、朝ご飯は家族全員が揃って食べるという決まりがあった。その決まりだけを見れば比...

『145gの孤独』

『145gの孤独』伊岡 瞬第309回の今回は、ミステリカテゴリから、ハードボイルドな雰囲気漂うミステリであるこちらをご紹介いたします。「ハードボイルド」と書きましたが実際にはちょっととぼけたところがあったり、実は子供に優しく義理堅い一面もあったりと、なかなか人情味あふれる物語でもあります。あまり難しく考えず、楽しく読むことができた一冊でした。簡単なあらすじとある事故が原因で現役を引退した元プロ野球選手の倉...

『水よ踊れ』

『水よ踊れ』岩井 圭也第308回の今回は、以前から『永遠についての証明』『夏の陰』『文身』『プリズン・ドクター』と作品を紹介してきた岩井先生のこちらになります。1997年、イギリスから中国へ返還されることとなった香港を舞台として、とある少女の死をめぐる謎を追いかける登場人物たちの内面を力強く描いた骨太な物語です。自由を謳い、未来のためにと掲げた若者たちの意思に思わず胸が熱くなった一冊でした。簡単なあらすじ...

『閃光のハサウェイ』

『閃光のハサウェイ』富野 由悠季第307回の今回は、最近映画化もされて大ヒットしたこちらをご紹介します。ガンダムシリーズ、というと「ガンダムは詳しくないんですよね……」と敬遠してしまうそこのあなた、そんなあなたにこそオススメしたいのがこのシリーズなんです!と前のめりに紹介したくなる物語です。なお、本シリーズは上中下の三巻からなりますが、この記事では三巻まとめてご紹介してしまいます。簡単なあらすじ人類が増...

『エンジニアが明かすF1の世界』

『エンジニアが明かすF1の世界』小松 礼雄第306回の今回は、モータースポーツの最高峰「F1」にまつわるこちらをご紹介いたします。本書の著者は日本人初のチーフレースエンジニアである小松さん。ハースF1チームの「現場監督」です。「現場監督」だからこそ書くことができるレースの裏側を知ることができれば、きっとF1がもっと楽しく感じられるはず。F1初心者から技術的な側面まで知りたいマニアまで、F1の新しい楽しみ方を発見で...

『憎悪人間は怒らない』

『憎悪人間は怒らない』上遠野 浩平第305回の今回は、以前紹介した『製造人間は頭が固い』の続編となるこちらです。例によって『ブギーポップ』シリーズやそれに続くシリーズの裏設定に相当する部分が描かれるわけですが、全ての作品を網羅せずに本シリーズだけを読んでも面白いとは思います。今回のテーマはタイトルにもある「憎悪」。こんな時期だからこそ「憎悪」について色々と考えるきっかけにもなる一冊です。簡単なあらすじ...

『わたしを離さないで』

『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ土屋 政雄 訳第304回の今回は、ノーベル文学賞受賞作家の代表作、日本では綾瀬はるかさん主演でドラマ化もされたこちらをご紹介します。静かな文体でありながら、徐々に明かされる秘密の重大さと根深さにページをめくる手が止まらず、その衝撃の大きさのあまり読み終わった直後はただひたすら言葉を失って呆然としてしまう、途轍もないエネルギーを持った一冊です。この本をもっと早くに読...

『見えない星に耳を澄ませて』

『見えない星に耳を澄ませて』香月 夕花第303回の今回は、もともとはTwitterで紹介いただいたこちらになります。音楽療法士を目指す主人公の物語ですが、音楽療法士としての仕事の物語というよりは主人公を含む登場人物の背景や心情を丁寧に描く繊細な物語です。孤独や悲しみや痛みを抱えて生きる時、人は何を支えにするのか?静かな夜に一人噛み締めるように味わいたい一冊です。簡単なあらすじ音大でピアノを専攻としながら、人...

『いのちの停車場』

『いのちの停車場』南 杏子およそ2ヶ月の間が空いてしまいました。。。第302回の今回は、吉永小百合さん主演で映画化もされたこちらの一冊をご紹介します。映画の場合、吉永小百合さんという名俳優が演じるが故の説得力があるわけですが、小説として読む時にはどうなるのか……。是非その「違い」も楽しむようにしてもらいたいオススメの一冊です。簡単なあらすじ「命を救うこと」を至上命題として一分一秒を争う判断・治療が求めら...

『走れ外科医』

『走れ外科医』中山 祐次郎第301回の今回は、ドラマ化もされている中山先生の人気シリーズから、『泣くな研修医』『逃げるな新人外科医』に続く第3弾のこの本です。現役外科医である中山先生が描く(時代設定自体はちょっと前になるのですが)リアルな医療現場の場面描写が魅力的な本シリーズですが、今回切り込むのは医療者が抱える葛藤や苦悩といった内面描写。個人的に、心の琴線がずっと最大振幅しっぱなしの一冊でした!簡単...